不気味の谷
- 武智
- 2017年6月26日
- 読了時間: 2分
武智です。
最近、医療系の企画書を書く機会が多く、
調べ物をしている中で、興味深いワードに出会いました。
「不気味の谷現象」
なぜか引き付けられる響きの言葉ですね。
詳しくはキーワードで調べていただければと思うのですが、
簡単に言うと、
人に類似したもの(主にロボットで考察されることが多い)に対して、
『不気味』と感じる、普遍的な感情ポイントがある、とのこと。
高校の頃になぜか寮で大流行した漫画「寄生獣」の中でも、
そんな表現がありましたね。「作り物の顔」。
この研究の魅力的なところは、
視覚的な情報に対しての、単純な嫌悪感の推移ではなく、
それが「人為的に作られたもの」と「認識した」ことによって生じる
『生理的な人間の感情の普遍性』という点ではないかと思います。
興味深いですね。
そのあたりは専門家に任せるとして、
今日は少し違った角度から。
かなりシンプルに考えると、不気味の谷現象は「基準点の推移」ではないか、と。
ロボットとしてみるとOKだけど
人間としてみると気持ち悪い。
どちらを基準点として見るかによって、見え方が異なります。
価値観が切り替わったタイミングでは、0ではなく、マイナスからのスタートになる。
「谷」の部分にあたるわけで。
これは他の事にも当てはまるんじゃないかな?
「一般人のおもろいやつ」やけど、「芸人目指してます!」と言われたら全然笑えない、とか
「彼氏」としてはいいけど、「結婚相手」としては残念、とか。
さらに飛躍させて考えるなら、映像制作における、
「視聴者のための編集」と「プロ(同業者目線)のこだわり」の谷。
前者のみを意識した場合、見やすいけど面白くない。
後者のみの場合は、自己満足のアート作品でしかない。
前者に”適量の”後者を取り入れることで、クオリティが増していく。(不気味の谷の”山”部分)
ただし、後者の”量を誤る”と、その先には、、、
「なんか、スタッフのドヤ感が見えすぎて嫌!」
という、視聴者の嫌悪感が待っている。(不気味の谷の”谷”部分)
そう、制作で目指すべきところは、
『不気味の”崖っぷち”』
かもしれません。
難しいですが、バランスを保てるよう、両方の基準点を常に意識することが大事ですね。
クライアント、制作、カスタマー、、いろいろな目線での「不気味の谷現象」を意識すると
また違った見え方ができるのだろうな、とか考えた今日この頃。
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